こんにちは!

菜園ナビ運営事務局のワイです。9月も終わりに近づいています。

もうすぐ本格的に稲刈りの季節ですね。本日は米作りについて取り上げてみたいと思います。

 

日本のお米作りについて

お米の品種は、一般的に主食となる「うるち米」、お餅や菓子類に利用される粘りが強い「もち米」、日本酒の醸造に使われる「酒米」、畜産動物の餌となる「飼料用米」があります。

日本では水田で栽培される「水稲」が主流ですが、畑で育てる「陸稲」もあります。

また、栽培方法も直接種をまく「直播き栽培」と水を入れた田んぼに苗を植え付ける「移植栽培」がありますが、稲作ではほとんどが「移植栽培」です。

棚田

第六回草の日フォトコンテストの受賞作品からお写真をお借りしています。

第六回 OREC「草の日」フォトコンテスト | 株式会社オーレック [ OREC CO.,LTD. ] 草刈機・管理機・耕うん機・運搬車の製造販売 (orec-jp.com)

 

米作りの主な工程

米作りは、稲を刈った後から来期の土づくりを行い、5月に田植え、9月~10月に収穫するまで、煩雑で膨大な作業が必要とされます。本日はその工程を大きく5つの作業に分けて、「①土づくり、②種もみ・苗づくり、③田植え、④除草・水管理・追肥、⑤収穫・乾燥」を紹介します。

 

収穫までの1年間

■①収穫後、1月~5月 土づくり

・田起こし

稲わらなどの有機物や肥料を入れて、トラクターで田んぼを耕します。

・畔塗り

水田の水が漏れるのを防ぐため、田んぼを囲む土の壁を補修する作業です。

・田すき

基肥という、窒素・リン酸・カリを中心に、稲の生育に必要な肥料を田植え前の田んぼに施します。

・代(しろ)かき

田んぼに水を入れ、土をやわらかくしたり表面を平らにし、苗の根が張りやすいようにします。農業用水路などから引いた水を利用します。

 

■②3月~4月種もみ 4月~6月苗づくり

移植栽培では種を田んぼとは別の場所で苗まで育てて、田んぼに植えつけます。

・種もみの処理

種もみは購入することがほとんどですが、農薬や化学肥料を使用せずに行っている米農家では自家採種している場合もあります。良い種もみを選ぶため「塩水選」という作業を行います。塩水に種籾を入れて掻き回し、底に沈んだものを苗づくりに使用します。

それから、種もみの病原菌を取り除くため、薬液か湯温に漬けて消毒します。

・浸種(しんしゅ)

種もみの発芽をそろえるために、消毒後は水に浸し、乾燥したもみが水分含有量25%以上になるように7〜12日間程度十分に吸水させ、種からわずかに発芽させた状態にしておきます。

・苗代(なわしろ/なえしろ)

苗を育てるための「苗代」に発芽した種をまきます。田んぼや畑を利用したり、ビニールハウスを利用し、土を詰めた育苗箱にまんべんなく種もみをまき、トンネルなどで暗く密封して出芽を促します。

出芽したら弱い光に2〜3日程度当てて「緑化」させ、トンネル内で徐々に自然環境にならす「硬化」の工程を行います。約1ヶ月程度が必要です。これらの作業を約1カ月程度行い、田植えに適した苗に育てていきます。

 

■③田植え 5月~8月

苗の根が絡み植え付けやすい状態になったら、代かき作業が完了後3日くらい経過して落ち着いた田んぼに、田植え機で植えていきます。田植機に苗をセットし、田んぼの中を通ることで等間隔に植え付けられていきます。だいたい2〜3本を一つとし、1坪あたり50〜70株となるように植えていきます。

 

■④除草・水管理・追肥

稲はどんどん「分げつ」で茎の数を増やし、幼穂ができる頃に分げつの発生が止まり、伸び始めます。この生育期には健全な苗の生育を阻害しないために、除草もしなくてはなりません。その手法としては、科学的に除草剤を使ったり、雑草が発生しにくくするため湛水状態にしたり、アイガモを放して雑草を食べさせたり、除草機で表土を攪拌して雑草を浮かせたりします。

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また、稲の生育時期に応じて田んぼの水を調節する「深水・浅水・中干し・間断かんがい」と呼ばれる工程を行います。

・深水管理:植え付け後すぐの苗を寒さから守るため、田植え直後から活着するまでに行い、田んぼの水深を5~7cmにして水の保温効果で苗を保護します。

・浅水管理:活着後から分げつ期は、水を2~4cm程度にし、水を浅くして地温を上昇させ地温を上げて、分げつ発生を促します。

・中干し:分げつの発生がピークになる頃、稲の生長を調節するため、水抜きをして、7日~10日間かけて土を乾燥させます。

・間断かんがい:中干し後、水分の供給と酸素の供給を数日ごとに繰り返し、根をしっかり育てます。

 

そして、「分げつ肥」「つなぎ肥」「穂肥」「実肥」などの稲の生育状況に応じて必要な栄養分を補うため、窒素・カリ・リン酸を適量追肥します。追肥の回数や施肥量は、育てる環境や品種によっても違いがあるため、生育状況や天候などを見ながら施します。

 

■⑤10月 収穫・乾燥

・落水

稲刈りの約10日前に、田んぼの水を抜きます。農家はその年の天候・生育状態などによって最適な時期を見極めています。

・刈り取り

落水が終わり田んぼがしっかり乾いたら、農業機械のコンバインで刈り取りと脱穀を行い、乾燥させます。コンバインは稲を刈り、稲穂から籾を分離する脱穀、籾の選別、藁の処理を同時に行うことができます。

・乾燥

脱穀作業が完了したばかりのもみは水分を多く含んでいて貯蔵性がよくないため、機械を使用してもみを乾燥させます。その後、もみすり機でもみ殻を取り除き、玄米にする「籾すり」を行います。

・精米

精米機で玄米の糠層を取り除き、ようやく白米として出荷されます。

 

稲刈り

 

想像以上に工程が多くて驚いたのですが、みなさんご存知でしたか?

その工程の多と、「米」の文字から、お米作りは八十八の手間がかかると言われています。

普段食卓にあがるご飯は、米農家のみなさんが手塩にかけて稲を育ててくれたお陰で、美味しくいただくことが出来るんですね。

新米が店頭に並ぶこの時期、今日の内容を思い出して、米作りにかかる工程にも思いを馳せていただけると嬉しいです。

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