こんにちは!
菜園ナビ運営事務局のワイです。
最近みなさん疲れてませんか?
春から夏にかけての今の季節は、寒暖差も大きく、湿度も高く、疲れを感じる人も多いのではないでしょうか?
そこで!今日は、先日「カメラ好きさん注目★第六回 草の日フォトコンテスト開催!テーマは「”農”っていいね!」 」でも紹介した、アグリヒーリングについて取り上げたいと思います。
アグリヒーリングとは?
メンタルの不調を和らげる方法としては、マッサージや薬など身体に直接アプローチするものだけではなく、日々の生活の中で食事や運動や会話でもストレスが軽減されますよね。
その他、アロマテラピーや音楽療法など、様々な方法があるかと思います。
その中で、数年前から広がった「アグリ(農業)ヒーリング」。農作業がストレスを軽減させる効果があることが科学的に証明されました。
アグリヒーリングが証明された経緯
以前から欧州では、自然が精神を癒す効果があることは受け入れられており、イギリスで始まったフラワーセラピーを中心とする園芸療法は、日本でも1990年代初めにストレス軽減や認知症の改善に効果があったと報告されました。
ただ、報告はあくまで参加者の主観やアンケート結果だけで、ストレス緩和の効果について具体的な数値では証明できていませんでした。
平成30年、JA全中と順天堂大学は調査を実施し、農作業が一定のストレスを軽減させ、幸福度を増加させる効果があることを科学的に実証しました。
都内に住む男女に追肥や収穫作業前後の唾液成分を解析したところ、ストレスで増加するホルモンであるコルチゾール、クロモグラニンAが減少し、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンは平均値で上昇していることが確認されました。アンケートでも、怒り、混乱、抑うつ、疲労、緊張感がいずれも低下したとの結果が出ました。
土に触れ、自然の香りに囲まれておこなう作業には一定のストレス軽減、幸福度の増加を助けることが証明されたのです。
ストレス軽減と幸福度向上が同時に起こる
農作業で得られる癒し効果の特長としては、ストレスが下がった状態がある程度維持され、幸福度の上昇も同時に起こることだそうです。
ヒーリングミュージックを聞くことでもコルチゾール値は下がり、ストレスは軽減されますが、幸福度を表すオキシトシン値も下がるため、リラックスはできますが、充実感や満足感は得られません。
うれしいことがあると、オキシトシン値は上がりますが、気持ちが高ぶっているためコルチゾール値も上がり、ストレスも高くなります。
農作業では、ストレスで増加するコルチゾールの低下や幸せホルモンであるオキシトシンの増加が確認されているので、ストレス軽減と幸福度向上が同時に起こります。
アグリヒーリングの効果が出やすいのは、都会に住んでいる方
想像がつくかもしれませんが、農村出身で農業の厳しさを知っていて、日常的に農作業をされている方にとっては、農作業への憧れというものが無いため、ストレス軽減効果は低くなることがわかっています。
一方で、農作業を新鮮に感じる都市部に住む方は、アグリヒーリングの効果が表れやすいです。農作業への期待が高く、非日常な体験として感じることができる方には、ストレス軽減効果が高く表れます。栽培を体験する初心者や農業体験の頻度が低い場合は、作業の前後でストレス値が一気に下がり、短期的に大幅な効果があらわれます。
アグリヒーリングは、ストレスが原因で罹患する病気の予防効果があります。ストレスの多い生活をされている方にとって、農作業をすることで心が軽くなり、健康になります。
視覚や食べ物でも得られるアグリヒーリングの効果
都市部に住む方はなかなか農業に触れる時間を取ることが難しいかもしれませんが、日常の中でヒーリング効果を得られる方法として、農業の景色や空間を視覚的に捉えたり、農村に住む鳥や動物の鳴き声を聞いたり、五感を使い自然・農業を疑似体験することで癒しを得られます。
農村でしか生まれない、美しい景観や牧歌的な雰囲気に新たな価値が見出されています。
また、消費者は「安全」よりも「安心」という感覚を優先する傾向があるそうで、産地情報のある野菜を食べると、ストレス軽減の効果が大きくなることがわかっています。
農作業を体験し、産地情報・栽培の方法に対する知識が増えると、安心感の高い農作物を食材として使うことができ、日常的にストレスケアができます。
現在、ストレスケアのための景観鑑賞・種まき・収穫した野菜の調理など、様々な農業体験プログラムが組まれている施設もあるそうです。
農業を体験することで、得られる健康への効果。農業の新しい価値、アグリヒーリングにこれからも注目が集まります。
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